今日ご紹介するのはイタリアのスポーツブランド、ディアドラのヘリテージラインの新作です。
ディアドラスポーツS.R.L.は、1948年イタリア北東部ベネト州モンテベルーナにて創業されました。
この地域はアルプスの南に位置しており、登山靴の産地として有名な場所で、ディアドラも当初は
登山靴メーカーとしてスタートしたそうです。
その後、次第にテニスやサッカーといったスポーツシューズの分野で台頭。
70年代以降、プロテニスのビヨン・ボルグ、ボリス・ベッカー、プロサッカーのロベルト・バッジオといった
トップアスリートとの契約を機にブレイクしました。
そのディアドラが21世紀にスタートしたのが「diadora HERITAGE(ディアドラ ヘリテージ)」です。
ヘリテージコレクションはその名の通りディアドラの持つ遺産を現代に蘇らせたコレクションです。
驚くのは、単なるデザインの復刻ではなく、製造工程に必要なラストとソールの金型も当時のものを使い、
ストーンウオッシュやビンテージ、ワックスといった加工技術を駆使し、現代のスタイリングにマッチする
雰囲気を具えているところです。
さて、写真のモデルはよく知られているヘリテージコレクションとは異なるモデルをベースにしています。
あまり知らていませんが、ディアドラは数々のレーシング界のスタードライバーをサポートしてきた歴史
をもっています。
F1ドライバーの故アイルトン・セナもそのひとりです。
ベースとなっているTRIDENT(トリデント)は、1984年につくられていたモデルで、
セナのピットクルーが履いていたモデルを復刻したものです。
(ピットクルー:ピットでマシンの整備や修理、燃料補給、タイヤ交換などを行うスタッフ)
アッパーのメイン素材は特殊ナイロンで、柔らかく反りのよい履き心地に大きく貢献。
通常よりもかなり厚みのあるPU素材が使われたインソールは、優れたクッション性を実現しています。
また、アウトソールはオイルで汚れたピット内で滑らないように独自に開発されたラバーパターンを採用。
専用ラストはディアドラらしい、トウが内側に大きく振られたコンフォート形状で、
土踏まず部分もしっかりサポートされています。
ラストに吊り込んで成型されたのち、一足まるごと洗いをかけるストーンウオッシュ加工を採用。
加えて、ソール側面に手仕事を駆使し、すでに履きこまれたような汚れを施して、味わいある
ヴィンテージ感を表現しています。
さらに、写真の「TRIDENT STUDS(トリデントスタッズ)L.E.」はヘリテージコレクションの中でも今シーズンの
リミテッドモデルで、ラインの上にはコレクションブランドでも使われる強化プラスチックのピラミッドスタッズ。
ヒール部分にはターコイズ風のスタッズが打ち込まれています。
diadora TRIDENT STUDS L.E. ¥28,000+消費税
細部にまで様々なこだわりを見せる、この新作。
ぜひ、大人に履いて欲しい一足です。