MADE IN ENGLAND
このフレーズにぐっと来る方は多いんじゃないでしょうか。。
スーツを始めとして、メンズウェアの起源となっている物の多くはイギリスを発祥としてい
るからだと思います。
その中でも、アイテムで言うと、やはり"靴"と"アウター"でしょうね。
今日紹介するのは、言わずと知れたスウィングトップの代名詞。
BARACUTA(バラクータ)の最も代表的モデル、"G9"です。
バラクータは1937年にジョン・ミラー兄弟によって作られたイギリスのブランドで、
"G9"は世界最初のハリントンジャケットとして知られています。
最初に「スウィングトップ」と紹介しましたが、これは某アイビーブランドが作った和製
英語で、海外では一般的にハリントンジャケットと呼ばれているようです。
この名前は、アメリカで放映されたテレビドラマの主人公「ロドニー・ハリントン」に由来
するもので、以降このタイプのブルゾン全般をハリントンジャケットと呼ぶようになったそ
うです。
ちなみに"G"は、ゴルフ。"9"は、9番目の意味で、改良に改良を重ね完成した、当時として
は画期的なゴルフウェアだったようです。
前説はこの辺で、ディティールを見ていきましょう。
開いた時の形が犬の耳に似ているところから"ドックイヤーカラー"と呼ばれる襟。
ボタンを閉じると風の侵入を防ぎます。
背中はアンブレラヨークと呼ばれる切り替えで、雨滴で裾まで濡れるのを防ぎます。
ラグランスリーブは腕の動きを妨げず、袖口と裾のフィット感のあるリブは、ドッグイヤー
カラーと相まって風の侵入をを防いでくれます。
以前は従来通りのクラシックフィットとスリムフィットがあったのですが、生まれ変わった
今シーズンからその中間、緩すぎず細すぎずのまさにジャストフィットなシルエットに生ま
れ変わりました。
裏地はイギリスブランドらしく、オリジナルのハウスチェック。
チェック柄は変わっていませんが、素材は吸収速乾に優れたクールマックスに
アップデートされています。
フロントのジッパーは、スリムフィットを受け継いでダブルジップ使用に。
車にのるときなんかは意外に便利です。
バラクータと言うと「高倉 健」や「スティーブ・マックイーン」を思い浮かべる方も多い
かと思います。
日本では、コンサバな大人のブルゾンのイメージが強いかもしれません。
本国イギリスでは、イギー・ポップ、デビット・ボウイがツアーで"G9"を着用。
ザ・クラッシュもタイムズスクエアのライブでツアーウェアとして採用。
ポール・ウェラーが愛用していたことでも知られています。
フレッドペリーのポロシャツにスリムフィットのジーンズ、足元はローテクのスニーカーや
デザートブーツ、といった懐かしいコーディネートもいいかもしれません。
昨年75周年を迎え、世界中で愛されるスウィングトップブルゾンの原型。
定番アウターのコレクションには欠かすこと出来ない逸品です。